今回も下品にやります!『ディクテーター身元不明でニューヨーク』

今回も下品にやります!
『ディクテーター身元不明でニューヨーク』

今回もブラックユーモアたっぷりの冒頭から始まるサシャ・バロン・コーエン主演2012年公開の『ディクテーター身元不明でニューヨーク』。映画の冒頭で北朝鮮の故金正日の写真が出て【金正日に捧ぐ】と冒頭からやってのけてくれました。2012年2月に行なわれた第84回アカデミー賞授賞式では、映画の中に登場する衣装そのままに、アゴヒゲをたくわえた軍服姿の独裁者アラジーンの姿で、軍服をきたベレー帽姿の2人の美女を引き連れて登場しました。独裁者アラジーンの手には、金正日総書記の写真が描かれている「金の骨壷」を抱えてレッドカーペットへ登場です。事前にアカデミー側からレッドカーペットでふざけるな。と釘を刺されているにも関わらず、骨壷から「遺灰だ!」とインタビューアーのライアン・シークレストのフォーマルスーツとレッドカーペットに見事にぶちまけ、ある意味期待を裏切らずにやらかしてくれました。公開と同時に世界で25ヶ国のぶっちぎりナンバー1となった『奪われたヒゲと権力を取り戻せ!』がキャッチコピーのコメディ映画です。

あらすじ

ディクテーターの意味は独裁者です。北アフリカにあるワディヤ共和国の独裁者として幼い頃から君臨してきたのは、サシャ・バロン・コーエン演じるアラジーン将軍です。まさに全てにおいて『独裁ぶり』を発揮しているエピソードが満載であります。全てにおいて独裁。「偉大なるアラジーン将軍は・・・と、どこかで聞いたことがあるような話で、自国語を編纂し直して新たな辞書をお作りになり、実に300の言葉が『アラジーン』に置き換えられました!」など、独裁者ならではのエピソード満載です。

アラジーン将軍やりたい放題

自分の勝利のためだけのオリンピックを開催したりしますが、自分がスタートをしてからスターターのピストルを撃ち、他の選手が勝てないように審判も選手も撃っての勝利!ハリウッドセレブでトランスフォーマーで大ブレイクした、セクシー女優のミーガン・フォックスやリンジー・ローハンなど時には性別も年齢もお構いなく、世界的なセレブたちとベッドを共に過ごす独裁者のアラジーン将軍は、ベットを共ににしたご自慢の写真がベットルームにたくさん飾ってありました。

少しでもアラジーン将軍の気に召さないことがあると、『おまえくび』『あいつ処刑』とまさにやりたい放題。アラジーン将軍が「核ミサイルが欲しい!!」となれば、科学者が「将軍!!できました」「うぬ。ミサイルの先が尖っていないようだが??」とアラディーン将軍が尋ねれば「ミサイルの先など飾りです。」「あいつ処刑」と手を首にふりすぐ決定。「私がなにをしたっていうんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~っっっ!!」という有様です。どんどんアラジーン将軍の周りから人がいなくなってしまいました。

どこかの独裁者と同じように、ミサイル開発に核開発。欲しい物は全て自分の手中にと・・やりたい放題のアラジーン将軍ですが、将軍の腹心の叔父はワディヤ共和国の石油の採掘権を欧米諸国へ売りつけて、そのお金で贅沢な暮らしを送りたいのでありますが、アラジーン将軍がそれを許しません。独裁者には暗殺がつきものということで、アラディーン将軍の暗殺も試みますが、将軍の影武者しか殺すことはできませでした。

ワジヤ共和国には石油が産出されますが、石油を輸出することはなくワジヤ共和国で独り占め。核兵器をつくることにアラジーン将軍の命令で、力を注いでいますが世界から見ると、核兵器の開発はまさに脅威でしかなく、アメリカ合衆国ではワジヤ共和国へ対して核開発停止と石油の市場開放を求めて、まさに武力行使に踏み込もうとしているところです。国連からもワジヤ共和国アラジーン将軍のもとへ、「国連にでて弁明演説しないと武力行使にでる」という内容の手紙が届きます。

そこで、アラジーン将軍は「よし!!国連で演説して、あいつらをぎゃふんと言わせてやる!!」と意気揚々。そして、ニューヨークで首脳会談を持つこと、国連演説をするためにと、アラジーン将軍一行ははアメリカニューヨークへと乗り込みます。

アラジーン将軍ヒゲを失う

ラクダに乗り、青い車をしたがえ軍服で乗り込むアラジーン将軍はニューヨークの街に登場します。「アメリカの外交筋」だと思っていたクレイトン(ジョン・C・ライリー)は、実は側近中の側近タミルが雇ったヒットマンだったのです。ホテルですっかり寝て休んでいたアラジーン将軍は、クレイトンに襲われてしまいアラジーンのアイデンティティでもあり象徴でもある、長いヒゲを反られてしまいさらに火までもつけられてしまいました!

なんとかヒットマンから逃げ切ったアラジーン将軍ですが、洋服もろくに着ないでVIPエリアから出てしまっておまけにヒゲもない状態なので、見た目は将軍とは思えない有様。ヒゲ無しの姿はまさに「中東の浮浪者」状態。当然見た目がアラジーン将軍に見えることもなく、扱いも「中東の浮浪者」扱いをされてしまうアラジーン。記者会見の場所には、見た目が自分とそっくりの影武者の姿があり、おまけに影武者は記者会見の場で「ワジヤ共和国の民主化」を宣言してしまうのでした。まさにこれは、ワジヤ共和国の石油を解放することでお金儲けをたくらんだ側近タミルの策略だったのでした。

『そんな話は聞いていないーーーー!!』とアラジーンは官邸の外で暴れますが、護衛館につまみ出されてしまいます。そんな踏んだり蹴ったり状態のアラジーンに手を差し伸べてくれた女性の登場です。彼女は博愛主義者のゾーイ(アンナ・フォリス)でした。

博愛主義者であり政治活動家でもあるゾーイは、自然食品のお店のオーナーでもあり、定員にはマイノリティを受け入れていました。ゾーイはアラジーンを身寄りのいない、哀れな中東人だと思いアラジーンを自分のお店で雇おうと提案しますが、アラジーンは「店長ならね。」と労働経験がないにも関わらず、相変わらずの状態です。ヒゲを失い、独裁者としての立場がなくなると世間はとても冷たくアラジーンに接します。

せっかくの店員として働けば?という申し出も断ったアラジーンは、ニューヨークの街をアラジーンはさまよい歩きます。そしてニューヨーク市内、ブルックリンのマーシー通り駅の近くにある ”リトル・ワジヤ”にたどり着きます。そこは夜になるとワジヤ共和国から移民で溢れる『リトル・ワジヤ』のバーに立ち寄りました。『リトル・ワジヤ』にいたのは、独裁者アラジーン将軍よってワジヤ共和国を追われた人たちばかりです。彼らにはヒゲがなくなった姿のアラジーンでも、アラジーンの正体が判明します。そしてバーの店長や客たちはアラジーンを攻撃しようとしましたが、アラジーンはある1人の男に助けられるのでした。

その男こそ、ワジヤ共和国の核兵器計画の元主任だったナダル(ジェイソン・マンツォーカス)だったのです。ナダルが説明するところによると、ワディヤ共和国の反乱分子たちは防諜部に潜入していて、アラジーン将軍が処刑を命じていた者たち全員を亡命させていたのだということでした。「先が尖っていないミサイルなんてかっこ悪いからイヤだ!」と、ワディヤ共和国を追われたナダルは、ニューヨークのマック・ストアの店員として働いています。でも、ナダルとしては、、元の仕事に戻りたいのでアラジーンが元の地位へ戻るべく正当な独裁者としての地位を取戻すお手伝いをすることを約束します。それにはもちろん条件があり、成功したときにはナダルをワジヤ共和国の大量破壊兵器計画のトップにしてくれるというのが条件でした。

そしてアラジーンと科学者ナダルは、まずはニューヨークの偵察だ!ということで、ふたりでニューヨーク上空をフライトする観光ヘリに参加します。アメリカ人観光客も同じヘリコプターに乗っています。最初はにこやかに「アイ・ラヴ・アメリカ人!アメリカナンバー1」「私はアメリカ生まれ 父もアメリカ生まれ」とにこやかに話しかけ、アメリカ人観光客の夫婦もご満悦です。

アラジーンとナダルは母国語ワディヤ共和国の言葉で会話を始めるのですが、アメリカ人観光客には2人の会話が当然通じないはずですが、固有名詞や「ババババーー」といった擬似語は通じてしまい・・・大騒動になるのでした。

ナダルとヘリコプター

アラジーン:「先祖は南北聖戦(ジハード)を戦った。アメリカ人で良かった 私はアメリカ1番のぼんくらだ」とここまでは英語です。

以下より、母国語での会話になります。

ナダル:「宮殿は今どうなっていますか?」

アラジーン:「あぁー変わらず。 でもゲストハウスにあいつが」

ナダル:「ビンラディン?」

アラジーン:「そう‘オサマ‘が来てる。」 ビンラディンにオサマという言葉に、アメリカ人観光客は恐怖に包まれています。

アラジーン:「シャワーのたびに洪水でさ・・。‘バスマット’が敷けないんだよ!!‘ビンラディン!!’」

アラジーン:「私の好きな車を覚えてるか?」

ナダル:「ポルシェ?」

アラジーン:「そう・・・’911‘」

ナダル:「‘911’は最高!」  このあたりからますますアメリカ人夫婦の顔色は焦りと恐怖で顔面蒼白。

アラジーン:「宮殿の近くで‘911’を運転してたら・・(とハンドルを持つふりをする)‘バババババ!!!’ぶつかった」 観光客の女性はまじで焦る。

ナダルとアラジーンは大爆笑。

アラジーン:「新車を取り寄せ中」

アラジーン:「新 ’911‘ ‘2012’モデル」 夫婦はお互い目を合わせて恐怖を確認しあっています。

ナダル:「ついでに景色も見たほうが・・‘エンパイヤステートビル’とか・・・‘ヤンキースタジム’を」

アラジーン:「花火をバックに‘自由の女神’を眺めたい。‘ババババーンッ!ドッカーーーン!!’って」

ナダルとアラジーンは、ハイタッチ!そして夫婦を見ると、アメリカ人夫婦はほとんど固まっている様子。

ナダル:「そうだ。背中の調子はどうです?」

アラジーン:「ひどくてね~自分でサポーターを作った」

ナダル:「へぇ?!」

アラジーン:「見ろ 今もつけてる」と自分の着ている星条旗柄のチャックを下げ、中のサポータと称するベストを開けると、見た目はベストに爆弾にもみえるもの。

これを見て、夫婦はかなり刺激をうけ目がヒクヒクと驚きます。

アラジーン:「英語も上達したし・・・」

アラジーン:「お前より早くカウントダウンできるぜ」とベストをいじりながらナダルに話します。

アラジーンとナダルの2人:「ファイブ フォー スリー ツー ワン!!」 

アメリカ人観光客はギャーーーーーーッ!!!!!!

ふたりはそのまま逮捕されました。一緒に観光ヘリコプターに乗ったアメリカ人観光客は、アラジーンとナダルの会話する母国語はまっく理解できないのですが、アラブ系の顔をしているアラジーンとナダルと会話と興味がたっぷり。2人が交わす会話の中で、ところどころに「ビンラディン」や「911」「エンパイヤステートビル」といった言葉と、ばばばばばーーという言葉に激しく恐怖心を煽られます。乗り合わせた夫婦にとっては、2人はテロリストそのものにしか思えず、そのままアラジーンとナダルは「テロ」の容疑で警察に連行されそのまま逮捕されます。

アラジーン働く

警察に捕まったアラジーンですが、無事「無実」ということがわかり釈放されます。アラジーンを引き取りに着てくれたのが、博愛主義者のゾーイでした。熱い正義感に溢れる彼女は警察に対して「人種的偏見とでしかない!あまりにもひどすぎる!!」と警察に対して猛然と抗議をしますが、アラジーンは一生懸命自分を助けようとしてくれたゾーイと彼女のボーボー状態の腋毛に、これまでに感じたことがない不思議な感情を抱くのでした。

ゾーイから仕事の申し出を断っていたにもかかわらず、アラジーンはゾーイの紹介してくれた仕事に就くことに同意します。なぜなら偽物のアラジーン将軍が、民主主義化の文章にサインが行なわれることが予定されているホテルに関連していることが分かったからです。アラジーンはここで働きますが、やはりここでも差別用語連発です。子供を蹴っ飛ばしたり、ゴミを道路に投げ捨てたりとその振る舞いは独裁者のままで、見事な暴れっぷりです。

アラジーンは、なんとか新たなヒゲを手に入れて、ホテルに潜入して影武者のニセアラジーン将軍をうごけなくすることに成功します。ここでようやく元のヒゲ将軍に戻り、署名式典では国連派遣団員の目の前で側近タミルが作成した文書を破り捨て、独裁主義の美点を賞賛するスピーチを行なうのでした。

そのスピーチも皮肉たっぷりのスピーチで、「独裁のなにがわるい??アメリカの国は、民主主義の国といいながら、独裁者が作るような国じゃないか?!」と民主主義を一通り批判したあとにスピーチを結んだ言葉は「それでも民主主義は素晴らしい!!」というものでした。

フィナーレは、ゾーイを伴いワディヤ共和国へ戻り結ばれますが、結婚式の時にゾーイがガラスのコップを割りそのとき初めてアラジーン将軍はゾーイがユダヤ教徒と言うことを知り、ショックを受けます。(アラジーン将軍はユダヤ教徒が大嫌い)反ユダヤ教の立場をとっているアラジーン将軍だっただけに、まさかの展開だったのでしょう。最後の最後もコメディタッチでフィナーレです。

ブラックユーモア炸裂!